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 タクシー運転手 ~ 梁元康さん
   タクシー運転手歴13年の梁元康さん。仕事の時はいつもシャツにネクタイ姿という梁さんにタクシー運転手の仕事のついて語ってもらいました。

―― 台北のタクシーってどのくらい走っているんですか?
   大台北地区(台北市、台北県、基隆市)でライセンス(営業許可)を持っているタクシーだけでも八万台はあると思います。台北は人口が多いですが、移動手段にマイカーやバスを利用している人も少なくないですし、ほとんど外に出ない子供や老人なんかもいますよね。
梁元康さん    統計によると、そういう人たちを除外した場合、だいたい20人に一台タクシーがある計算になるそうです。これは世界一の数字ですよ!

―― 乗車拒否があると聞いたことがありますが。
   2時間も順番待ちして乗せたお客さんが(初乗りの)70元分しか乗らないこともあるんです…でも乗車拒否はできません。市の規定で短距離の場合でも乗車拒否はしてはいけないことになっているんです。
   もし不幸にも乗車拒否された場合は告発できます。市の交通局が対応してくれるはずです。悪質な場合はライセンスが取り消されることもあります。

―― タクシーを運転していて大変なことはありますか?
   タクシーを運転していて用を足したいなと思っていたときに、お客さんが手をあげてタクシーを止めることがあるんです。あと長距離のお客さんを乗せたときなんかはご飯を食べる時間がないこともあります。
   ですからご飯やトイレの時間が不規則なんです。それで胃や腸を悪くしている人も少なくありません。これは一種の職業病かもしれませんね…。

―― 梁さんは日本語が話せるそうですね?
   はい。ここ数年はよく日本のお客さんを乗せています。ほかの外国人よりも多いですね。私は日本語を勉強しているので、日本人とコミュニケーションを取ることができて助かっています。日本語は一番大切な言葉だと思います。仕事に役に立っています。

―― 仕事のために日本語を勉強しているのですか?
梁元康さん   日本語の勉強を始めたきっかけはある日本人のお客さんとのトラブルなんです。三年ぐらい前に林口(台北県)のゴルフ場に行きたいという4人の日本人を乗せたんです。出発前に私はちゃんと「片道900元」と言ったんですよ。これが相場なんです。
   でもゴルフを終えた彼らをホテルに送って帰ったら、900元しか払ってくれなかったんです。私はゴルフ場の外で長い時間待たされたんですよ。だからもちろん彼らに説明しました。「片道は900元だから往復で1800元」と。でも彼らは全然譲らなかったんです。
   もしあの時、日本語できちんと「片道900元」と話せていたらこんなトラブルは起こらなかったんじゃないかと思うんです。だから日本語の勉強を始めました。

―― では日本人を乗せて何か面白かったことはありますか?
   北海道から来たという二人の女性を忠烈祠(台北市)まで乗せたんです。そしたら降りるときに翌日九份(台北県)に行きたいと言うから、翌日九份まで乗せていったんです。
   九份に着いたらなんと彼女らが私にガイドをしてくれと頼むんですよ。九份へはよくお客さんを乗せて行っていましたが、九份をブラブラしたことはなかったんです。ですからあの日、私は初めて九份の街に足を踏み入れましたよ!
梁元康さん   もちろんガイド料はいただいていません。だからなのかもしれませんが、しばらくして北海道の彼女たちから小包が届いたんです。お礼のつもりだったんですかね。

   それから日本人タレントの愛沙さんを乗せたことがあります。初めは全然気がつかなかったんですが、うちでテレビを見ていて「あっ、乗せたことのあるお客さんだ!」と気がついたんです。しかも彼女が日本人だということも最初は知らなかったんですよ。
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